サバナ気候(Aw)の特徴をわかりやすく解説(都市や植生など)

気候

サバナ気候の最重要キーワードは赤道低圧帯です。この記事ではサバナ気候の特徴、分布、植生・土壌、農業などについてわかりやすく解説していきます。ぜひ最後まで読んでいってください。

サバナ気候の特徴

早速ですが、サバナ気候の特徴をまとめます。

サバナ気候(Aw)の特徴

・年中高温
・雨季と乾季にはっきりと分かれている

サバナ気候は熱帯なので年中高温なのは当然ですが、同じ熱帯の熱帯雨林気候・熱帯モンスーン気候と異なる点は、はっきりとした乾季があることです。

もう少し具体的にサバナ気候を定義すると、

サバナ気候(Aw)の定義

・最も寒い月の平均気温が18℃以上→Aの条件
・冬の最小雨月降水量60㎜以下→wの条件

となります。より詳しい定義は「ケッペンの気候区分の覚え方と判別方法まとめ」で解説しています。では、なぜサバナ気候にははっきりとした雨季と乾季があるのでしょうが?原因は、季節による赤道低圧帯(熱帯収束帯)の移動にあります。次の章で詳しく解説します。

雨季・乾季ができる理由とは?

先ほども述べたとおり、サバナ気候で雨季・乾季が明瞭な理由は、「季節による赤道低圧帯の移動」です。これを以下のように、3ステップで理解します。

雨季・乾季が明瞭な理由を考える3ステップ

ステップ1:降水をもたらす赤道低圧帯は太陽から受けるエネルギーが一番大きい所にできる
ステップ2:地球は23°傾きながら太陽の周りをまわっているため、太陽から受けるエネルギーが一番大きい所(赤道低圧帯)が季節により変化する
ステップ3:赤道低圧帯に覆われない時期に乾季になる

ステップ1:降水をもたらす赤道低圧帯は太陽から受けるエネルギーが一番大きい所にできる

なぜ赤道低圧帯が降水をもたらすのかは「降水条件&乾燥条件4つ!」の記事で詳しく解説しているので参考にしてください。「太陽から受けるエネルギーが一番大きい所」というのは、もちろん赤道のことですね。つまり赤道上は降水が多くなります

ステップ2:地球は23°傾きながら太陽の周りをまわっているため、太陽から受けるエネルギーが一番大きい所が季節により変化する

太陽から受けるエネルギーが一番大きい所は赤道上です。ところが地球は太陽の周りをまわっています。すると下の図のように、太陽から受けるエネルギーが一番大きい所つまり、赤道低圧帯の位置が季節により変化します

ステップ3:赤道低圧帯に覆われない時期に乾季になる

さて、地球を拡大してみてみましょう。

すると、上空に赤道低圧帯がある季節は雨季に、ない季節は乾季になることが分かります。このようにして、サバナ気候では、雨季・乾季がみられるのです。ちなみに、乾季は、赤道低圧帯の周辺にある亜熱帯高圧帯が現れ、これが乾燥の原因になります。

サバナ気候の雨温図とハイサーグラフ

確かに、降水量が少ない乾季があることが確認できます。熱帯の定義である最寒月平均気温が18℃以上も満たしていますね。

サバナ気候はどこに分布する?

サバナ気候は、熱帯雨林気候の周辺に分布することが分かります。

サバナ気候の分布の特徴

・熱帯雨林気候の外側に分布
・具体的には、北緯・南緯10度~20度くらいに集中

では、サバナ気候はなぜこれらの地域に位置するのでしょうか?答えは簡単です。先ほど説明した赤道低圧帯(熱帯収束帯)の季節移動です。

赤道低圧帯(熱帯収束帯)は、上の図のように、季節によって移動するのでしたね。この図を見ると、熱帯雨林気候(年中降水)の周りにサバナ気候(雨季と乾季がある)があることが分かります。実際の地図上でも、熱帯雨林気候の周りにサバナ気候があるのです。その具体的な位置が北緯・南緯10度~20度くらいということです。

サバナ気候の都市と国の例は、ブラジリア(ブラジル)、カラカス(ベネズエラ)、ダーウィン(オーストラリア)、バンコク(タイ)、コルカタ(インド)、ダルエスサラーム(タンザニア)、アビジャン(コートジボワール)などです。

サバナ気候の植生・土壌

サバナ気候の植生はバオバブアカシアなどからなる疎林長草草原です。サバナ気候では、乾季がみられるため、熱帯雨林のような常緑広葉樹の密林は見られず、まばらに木が生えているだけです。その木も、乾季には落葉します。長草草原には、地域によっていくつかの呼び方があります。

呼び方場所
カンポブラジル高原
グランチャコパラグアイ、ボリビア南西部
リャノオリノコ川流域(ベネズエラ)
サバナアフリカ

サバナ気候の土壌は、赤色をしたラトソルです。水に溶けた養分が雨季に流されてしまうため、ラトソルは栄養に乏しく痩せています。サバナ気候に属するブラジルのブラジル高原と、インドのデカン高原では特徴的な間帯土壌がみられます。

土壌名場所特徴
テラローシャブラジル高原玄武岩が風化した赤紫色の土壌で、コーヒー栽培が盛ん
レグールデカン高原(インド)玄武岩が風化した黒色の土壌で綿花栽培が盛ん

サバナ気候の農業

サバナ気候で見られる農業は、焼き畑農業稲作(特にアジア)、プランテーション農業です。焼き畑農業は、乾季に草木を燃やし、雨季に作物を育てます。稲作は特にアジアで顕著にみられ、1年に2回米を収穫する二期作がおこなわれています。そして、一番重要なのがプランテーション農業です。プランテーション農業では、綿花サトウキビコーヒーなどが栽培されています。中でも、ブラジルのブラジル高原ではテラローシャという土壌を生かしてコーヒーの栽培が盛んです。インドのデカン高原では、レグールという土壌を生かして、綿花の栽培が盛んです。

まとめ

サバナ気候の定義

・最も寒い月の平均気温が18℃以上→Aの条件
・冬の最小雨月降水量60㎜以下→wの条件

サバナ気候の植生

疎林&長草草原

長草草原の呼び方は
ブラジル高原→カンポ
パラグアイ・ボリビア南西部→グランチャコ
オリノコ川流域(ベネズエラ)→リャノ
アフリカ→サバナ

サバナ気候の土壌

・ラトソル
・レグール(デカン高原)
・テラローシャ(ブラジル高原)

サバナ気候の農業

・焼き畑農業
・稲作(特にアジア)
・プランテーション農業
→コーヒー豆(ブラジル高原)
→綿花(デカン高原)

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