気圧帯はなぜ移動する?種類や特徴、風への影響を分かりやすく解説

気候

気圧とは

気圧とは地表における大気の圧力のことです。したがって下の図のように、上昇気流が生じる場所では低圧に、下降気流が生じる場所では高圧になります。

気圧がもたらす影響

気圧は、気候に影響を与えます。中でも、降水と風は深い関係があります。

下の図のように、低気圧の場所は上昇気流が生じるため雲が生じ、降水を発生させます。一方、高気圧の場所は下降気流が生じるため、雲が生じにくく、降水は発生しません。

さらに、大気は地表では高気圧から低気圧に、上空では低気圧から高気圧に循環し、風を発生させます。

地球の気圧分布

地球規模で見た気圧の分布を下の図に示しました。

上の図のように、気圧帯は4つに分けることができ、その名称と位置は

気圧帯の名称緯度
極高圧帯90°(北極・南極)
亜寒帯低圧帯60°
亜熱帯高圧帯30°
赤道低圧帯0°(赤道)

となります。

また、気圧帯は気候に影響を及ぼすことをお話ししましたが、その影響を示した図を以下に示します。

このように、気圧帯の間では貿易風、偏西風、極偏東風の風が生じます。

では、それぞれの気圧帯について、なぜ高気圧(低気圧)なのか、どのようにして風が生じるのかなどを紹介します。

赤道低圧帯(熱帯収束帯)

赤道低圧帯(熱帯収束帯)は、赤道付近で見られる低圧帯です。

赤道付近では太陽のエネルギーで地表が暖まりやすく、地表の熱が大気を温めることで、上昇気流が発生します。このため地表付近では、上昇気流を作るために、高緯度側の地域から風を吸い集めます。これにより、赤道低圧帯の回りでは貿易風が吹きます。

また、上昇気流は降水を発生させるので、赤道付近では年中雨が降り、熱帯雨林を形成します。

亜熱帯高圧帯(中緯度高圧帯)

亜熱帯高圧帯は、南北回帰線~南北30°にかけてみられる高気圧です。

赤道低圧帯で上昇した大気はその後冷やされ、南北回帰線~30°付近で下降気流となり、地表付近まで降りてきます。この下降気流が高気圧をもたらし、亜熱帯高圧帯が生じます。南北回帰線~南北30°の地域では高気圧になり、下降気流が生じているため、降水量が少なく乾燥した気候になります。

また、下降した大気は地表付近で、偏西風と貿易風として吹き出します。

亜寒帯低圧帯

亜寒帯低圧帯は南北60°付近で見られる低圧帯です。

冷たい極偏東風と温かい偏西風がぶつかることで、温かく軽い偏西風が、冷たく重い極偏東風の上に乗り上げ上昇気流が生じます。この上昇気流が生じることでこの付近は低圧となります。上昇気流は降水をもたらすので、南北60°付近は多雨となります。

極高圧帯

極高圧帯は南北0°(南極・北極)で見られる高圧帯です。

南極・北極は常に低温で大気が冷まされます。大気が冷まされると重くなり下降気流が生じます。この下降気流により極高圧帯が生じます。下降気流は降水が少なくなるのでこれらの地域は少雨となります。

また、下降気流で地表付近に流れ込んだ大気は極偏東風として吹き出します。

気圧帯はなぜ移動する?

先ほどの通り、気圧帯はこのように分布しているのですが、季節によって移動します。なぜでしょうか?答えは地軸の傾きにあります。分かりやすくするために熱帯収束帯だけを考えます。

上の図のように、地軸(地球の自転軸)は地球の公転軸に対して傾いています。すると、太陽のエネルギーを一番受ける場所にできる赤道低圧帯は季節によって移動することが分ると思います。ここで、地球を拡大すると、

確かに、赤道低圧帯は季節によって南北に移動していることが分かります。(この気圧帯の移動が雨季乾季などの気候の変化をもたらします。)

まとめ

以上をまとめると、次の表のようになります。

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