冷帯冬季少雨気候(Dw)はなぜ北半球だけ?分布や植生についても解説

気候

冷帯冬季少雨気候の特徴や分布の理由

さっそくですが、冷帯冬季少雨気候の条件は次の通りです。

冷帯冬季少雨気候の条件

・最寒月平均気温が-3℃未満(Dの条件)
・最暖月平均気温が10℃以上(Dの条件)
・冬季に乾燥する(wの条件)

冬期に乾燥するのはなぜでしょうか?冷帯冬季少雨気候の分布を見れば理解できます。

冷帯冬季少雨気候の分布図なのですが、この地域の中心は海から遠いため、冬の気温が下がりやすくなっています。実際、北半球で最も低い気温を記録したオイミャコンという町(寒極)は冷帯冬季少雨気候に属します。気温が低くなると大気は冷やされ下降し、高気圧を形成します。この高気圧はシベリア高気圧と呼ばれます。

シベリア高気圧があることで、これらの地域は冬に乾燥し、冷帯冬季少雨気候になるのです。以上のように冷帯冬季少雨気候は大陸性の気候ですから、ユーラシア大陸のような大きな大陸でしか見られず、分布する地域はユーラシア大陸北東部に限られます。

さて、冷帯冬季少雨気候にはどのような特徴があるのでしょうか?

冷帯冬季少雨気候の特徴

ユーラシア大陸北東部のみに分布
・植生はタイガ
・土壌はポドゾル
・農業は困難で林業が主

これらの特徴について1つずつ見ていきます。

冷帯冬季少雨気候の植生と土壌

冷帯冬季少雨気候の植生は北部と南部で分けられます。

場所植生
北部タイガ(常緑針葉樹)
南部針葉樹と落葉広葉樹の混合林

北部では、単一の種の針葉樹林からなるタイガが見られます。温帯に近い南部では、針葉樹と落葉広葉樹の混合林が見られます。

冷帯冬季少雨気候の土壌は、低温のため腐食が進まず、養分に乏しいポドゾルが見られます。土壌中の水分が下へ移動する際に溶けた鉄も一緒に移動するため、ポドゾルの表層は白色です。南部では褐色森林土も見られます。これらの地域では、厳しい寒さのため、地下深くが凍った永久凍土が見られる場所もあります。

冷帯冬季少雨気候の農業

冷帯冬季少雨気候はきびしい寒さのため、耕作に不向きなため林業が発達しています。単一の種の針葉樹林からなるタイガは林業をするのに都合がよいことも林業の発達を後押ししています。しかし近年は、農業技術の進歩により、耕作限界が北進し、寒い地域でも耕作が行われるようになりました。冷帯冬季少雨気候の南部の地域では、耐寒性作物のジャガイモやエン麦などが栽培されています。

冷帯冬季少雨気候の雨温図とハイサーグラフ

冷帯冬季少雨気候の条件

・最寒月平均気温が-3℃未満(Dの条件)
・最暖月平均気温が10℃以上(Dの条件)
・冬季に乾燥する(wの条件)

冷帯冬季少雨気候の雨温図を見ると、確かに条件を満たしていることが分かります。ハイサーグラフを見ると、縦に細長く右上がりになっていることが分かります。縦に長い理由は、冷帯冬季少雨気候が大陸性の気候のため気温の年較差が大きいからです。右上がりの理由は、冬季に乾燥するからです。

まとめ

まとめ

〇冷帯冬季少雨気候の条件
最寒月平均気温が-3℃未満(Dの条件)
最暖月平均気温が10℃以上(Dの条件)
冬季に乾燥する(wの条件)

〇分布はユーラシア大陸北東部のみ

〇植生と土壌
北部:タイガ
南部:針葉樹と落葉広葉樹の混合林
土壌はポドゾル(南部は褐色森林土も)

〇農業
林業が主
技術進歩により耐寒性作物の耕作も

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