気候要素と気候因子の覚え方とは?違いや関係についてわかりやすく解説

気候

気候要素と気候因子の違い

気候要素と気候因子の特徴を端的に表現すると、

気候要素と気候因子の違い

気候要素:気候の状態を表現するもの

気候因子:そのような気候になる原因

となります。これだけではわかりませんね。これから詳しく説明していきます。

「北海道は沖縄より寒い」

「高知県は雨が多い」

「海辺は風が強い」

など、気候を表現するときは、上記のような「寒い」、「雨が多い」、「風が強い」といった特徴を用いますよね。これらの気候の特徴を「気候要素」と呼びます。具体的には、気温、降水量、風などです。

これに対して、

「シンガポールは赤道に近いから年中暑い」

「富士山の頂上は標高が高いから寒い」

など、「○○だから△△」のように気候の状態を作り出す原因を述べるとき、その原因となる物「○○の部分」を気候因子と呼びます。具体的には、緯度、高度、地形などです。気候の原が気候子と覚えると、覚えやすいでしょう。

気候要素と気候因子の見分け方は、「気候の状態を表しているかどうか」です。気温が高い、降水量が多い、風が強いなどは気候の状態を表しているので気候要素です。これに対して、緯度が高い、標高が高い、山に囲まれているなどは気候の状態を表していません。なので、これらは気候要素でない、つまり気候因子です。

以上を踏まえて、もう一度気候要素と気候因子についてまとめます。

気候要素と気候因子

気候要素:気候の状態を表すもの(気温、降水量、風など)

気候因子:そのような気候になる原因(緯度、高度、地形など)

緯度や高度などの気候の生成原因である気候因子があることによって、どのような気候かという気候要素があるのです。つまり、気候因子と気候要素は原因(気候因子)と結果(気候要素)の関係なのです。

具体的には気候要素と気候因子には下のようなものがあります。

気候要素:気温、降水量、風

気候因子:緯度、高度、地形、海流、隔海度、陸水分布

などです。

緯度:赤道からどれだけ離れているか

高度:その土地が海面から何m上にあるか(≒標高)

隔海度:その土地が海からどれだけ離れているか

それでは、気候要素と気候因子について詳しく紹介します。

気候要素

復習すると、気候要素とは、気候の状態を表すものでした。中でも、気温、降水量、風は3大気候要素と呼ばれます。

気温

気温は、緯度、高度、隔海度、海流などの気候因子に影響されます。

海抜高度(標高)が低いほうが、気温が高くなります。太陽のエネルギーは一度地表を温めた後それが照り返して大気を温めます。太陽のエネルギーが直接大気を温めているわけではないので、海抜高度が高くなるほど気温は低くなります。海抜高度が100m上がると気温は約0.55℃低下します。この高度の上昇における気温の低下を気温の逓減率を言います。

次に日較差・年較差について。

日較差:1日の最高気温―最低気温

年較差:1年の最温月平均気温―最寒月平均気温

日較差・年較差は以下の気候因子に影響されます。

降水量

降水量のポイントは上昇気流が生じるかです。

降水量のポイント

上昇気流が生じる→降水量が多い

上昇気流が生じない→降水量が少ない

降水量が多い地域つまり、上昇気流が生じる場所は、下のような特徴を持つ場所です。

風のポイント

風は高気圧から低気圧に向かって吹く

風には以下のような種類があります。

気候因子

気候因子は気候の原因となる物でした。気候因子には、緯度、高度、地形、海流、隔海度などがあります。

緯度

緯度は、気温と気温の日較差・年較差などに影響を与えます。

緯度が高い程気温は低く、緯度が低い程気温は高い

緯度が低い、つまり赤道に近い程気温が高くなるのは想像しやすいと思います。

海抜高度

海抜高度も気温と気温の日較差・年較差に影響を与えます。

高度(標高)が高い程、気温は低くなる

高度(標高)が高い程、日較差・年較差は小さくなる

地形・隔海度・陸水分布

地形・隔海度・陸水分布は様々な気候要素に影響を与えます。

海辺より大陸の内陸程、降水量が少ない

大陸の西岸&海辺程、日較差・年較差は小さくなる

山脈の風上側は降水量が多い

海流

海流は、様々な気候要素に影響を与えますが、どのような影響をもたらすかは海水の温度によって決まります。よって、沖合が暖流か寒流かによって気候が変化します。

海面水温が高い(暖流が流れている)程、気温が高く、降水量も多い

まとめ

以上を以下の表でまとめることができます。

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