【地理】気温の分布を解説!気温は何によって決まる?逓減率とは?

気候

地理を勉強していくうえで、気候を理解することは欠かせません。その気候の一番のカギとなるのが気温です。気温は何によって決まり、どのように分布するのでしょうか?今回は気温が変化する原因と分布について詳しくわかりやすく解説していきます。

世界の気温分布図から読み取れること

気温の分布を次に示しました。

赤の線は年平均気温の等温線です。等温線とは年平均気温が等しい地点を線で結んだものです。

この図を見て気づくことがいくつかあると思います。例えば、以下の図で

①ヨーロッパは高緯度の割に気温が高い

②南米のアンデス山脈では等温線が赤道側に大きく突き出ている

などです。

ではこれらの原因は何でしょうか?これから平均気温が変化する要因を紹介します。平均気温が変化する要因は主に3つに分けられます。

年平均気温が変化する要因と変化の仕方

・緯度による変化:低緯度地域の気温>高緯度地域の気温

・海抜高度による変化:標高が高い地域の気温<標高が低い地域の気温

・大陸の東西による変化:大陸西岸の気温>大陸東岸の気温

では、それぞれの要因について1つずつ見ていきましょう。

気温の緯度による変化

気温は高緯度地域(北極・南極)では低温に、低緯度地域(赤道)では高温になります。

この理由は、地球が太陽からエネルギーを受けるとき、低緯度地域の方がエネルギーを多く受け取るからです。これを次の図に表しました。

大気を温めることを考えるので、大気の体積は同じ、つまり同じ地表の面積を考えます。すると図のように、①面積が同じ場合、受け取る太陽のエネルギーは低緯度地域の方が多いことが分かります。よって、気温は高緯度地域(北極・南極)では低温に、低緯度地域(赤道)では高温になるのです。

気温の海抜高度による変化

海抜高度が高くなると、気温は低くなります。山の上の方が涼しいのを体感したことがある方も多いと思います。なぜこのような現象が起こるのでしょうか?次の図を見てください。

実は太陽のエネルギーは、大気を直接温めているのではなく、まず地面を温めてから、その照り返しで大気を温めています。このため、地表から離れるほど照り返しの影響を受けないので温度は下がります。

ここで山の上にも地面があるから温度は変わらないのではないかと思うかもしれません。しかし、山の上の方が気温が低いのです。この理由は大気の圧力、つまり大気圧にあります。大気圧は高度が高くなるほど小さくなります。ここで、気体は気圧が小さい程温度が下がります。よって、高度が高い山の上の気温が低くなるのです。

一般に、100m海抜高度が上昇すると、気温は0.65℃低くなります。高度が上昇したときに、どれだけ気温が下がるのかを示したものを逓減率と呼びます。

実際に海抜高度が異なる2地点の気温を比較すると次のようになります。

同じ緯度でも、海抜高度の高いパラスは海抜高度の低いブラジリアよりも気温が低いことが分かります。

気温の位置による変化

気温は、測定する場所の位置によっても変化します。大陸の西岸は大陸の東岸よりも気温が高くなります。実際に先ほどの等温線図のユーラシア大陸の部分を拡大して確認すると、

等温線が右肩下がりになっていることが分かります。

これはなぜでしょうか?

これは、冬の気候を考えれば理解できます。

ユーラシア大陸西岸では、暖流の上空を通り暖められた偏西風が吹くため、温かくなります。一方、ユーラシア大陸東岸では、冷たい大陸からの季節風が吹くため、寒くなります。このようにして、年平均気温は

大陸の西岸の気温>大陸の東岸の気温

となります。

偏西風、季節風についての詳しい説明はこちらの記事をご参照ください。

大陸の東西で気温を比較すると次のようになります。

大陸の東側にある札幌は大陸の西側にあるローマよりも気温が低くなっていることが分かります。

まとめ

緯度による変化:高緯度地域の気温<低緯度地域の気温

海抜高度による変化:標高高い地域の気温<標高が低い地域の気温

位置による変化:大陸東岸の気温<大陸西岸の気温

その他の気候要素と気候因子についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

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