米、トウモロコシとともに三大穀物と称される小麦。その最大の特徴は寒さと乾燥に強く、熱帯、寒帯を除くほぼ世界中で栽培されていることです。小麦には大きく分けて春小麦と冬小麦の2種類があります。この違いについて説明します。
冬小麦と春小麦の違い
春小麦を冬小麦の違いは栽培する時期です。
冬小麦:秋に種をまき、冬を越し、初夏に収穫する小麦
春小麦:春に種をまき、夏に育成し、秋に収穫する小麦
冬小麦と春小麦の唯一の違いは栽培する時期なのです。もう少しわかりやすくするために、下の作付け図を見てください。
冬を越すのが冬小麦
春に種をまくのが春小麦
これだけ頭に入れておけば冬小麦と春小麦の違いは完璧です。
さて、2つの小麦のうち一般的に栽培されているのは冬小麦の方です。逆に、春小麦は冬に作物を育てるのが難しい高緯度で冷涼な地域で栽培されます。
先ほどの作付け図にもある通り春小麦は冬小麦に比べて栽培期間が短いです。このため春小麦の収穫量は冬小麦の収穫量に比べて2/3程と少なくなっています。
冬小麦と春小麦の場所
では冬小麦と春小麦はどのような地域で栽培されるのでしょうか?春小麦は冬に作物を育てるのが難しい高緯度で冷涼な地域つまり寒帯で多く栽培されています。これに対して冬小麦は冬に作物を育てられる温暖な温帯で栽培されています。これらの違いを踏まえたうえで栽培地域を分類すると以下のようになります。
冬小麦:アメリカ中南部、フランス、中国の華中
春小麦:アメリカ北西部、カナダ、ロシア、中国東北地方
北アメリカを地図で確認していき行きます。
北アメリカではアメリカ北西部のモンタナ州、ノースダコタ州、カナダ南部で春小麦が、アメリカ中南部のアンザス州、オクラホマ州で冬小麦が栽培されています。
ここで、それぞれの地域の気温図を確認します。
春小麦を栽培しているファーゴ(ノースダコタ州)では冬の気温が10℃を下回り冬に作物を栽培できないことがわかります。逆に冬小麦を栽培しているドッヂシティ(カンザス州)では冬でも0℃を下回らず冬に作物を栽培できることがわかります。
まとめ
冬小麦 | 春小麦 | |
特徴 | 冬を越す | 春に種をまく |
地域 | アメリカ中南部、フランス、中国華中 | アメリカ北西部、カナダ、ロシア、中国東北地方 |
生育期間 | 長い | 短い |
収穫量 | 多い | 少ない |
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