日本一高い山が富士山であることは良く知られていますが、2番目は何でしょうか?富士山は世界で何番目に高い山でしょうか?それではランキングを見ていきましょう。
1位 富士山(剣が峰)(3776m)
言わずと知れた有名な山で、世界遺産にも登録されています。古来富士信仰がはぐくまれた霊峰であることと、芸術上の重大な題材であることが評価されて、「富士山-信仰の対象と芸術の源泉」という名で世界文化遺産に登録されています。実は世界自然遺産ではないのです。
山梨県と静岡県にまたがっており、8合目より上は、どちらの県にも属さず、「富士山本宮浅間大社」の私有地になっています。ちなみに富士山の山頂には、「富士山頂郵便局」があり、この所在地は静岡県となっているようです。
富士山の火口は、伊豆・小笠原弧北部の火口とともに火口列を成していて、この列はフィリピン海プレートの進行方向と一致しています。富士山付近では火口列が1年で1㎝ずつ拡大しているそうです。
では富士山の高さは世界で何番目なのでしょうか?実はこの順位は不明なのです。実は山にはピークと呼ばれる周囲より高くなっている頂上のようなものがあり、これを一つの山頂とするかで集計数が変わってしまうからです。
ちなみに江戸時代に伊能忠敬は、富士山の標高を三角法を用いて、3927.7mと測定したそうです。
2位 北岳 (3193m)
北岳は南アルプス(赤石山脈)の北部に位置し、火山でない山としては日本最高峰です。山頂は山梨県南アルプス市にあります。東斜面の比高600mの岩壁は、「北岳バットレス」として登山家に有名です。バットレスとは、山頂や稜線を支えるかのように切り立っている急峻な岩壁のことです。
北岳を有する赤石山脈は1300万年前ごろから隆起し始めました。赤石山脈から搬出された大量の土砂が、静岡県の牧の原や三方原を形成しています。
3位 奥穂高岳 間ノ岳(3190m)
3位は同率で2つの山がランクインしました。奥穂高岳は長野県と岐阜県にまたがる飛騨山脈にあります。
一方間ノ岳は、北岳と同じく明石山脈(南アルプス)にあります。こちらも山頂は山梨県と静岡県にまたがっています。今まで標高は、3189.13mとされてきましたが、2014年4月1日に、国土地理院が最新の衛星測位システムを導入して標高を測ったところ、3189.50mに改定されました。
また、最終氷期の時代には間ノ岳が日本一高い山だったのではないかと推測されています。当時富士山が現在の高さに到達していなかったためです。
5位 槍ヶ岳(3180m)
槍ヶ岳は飛騨山脈(北アルプス)南部にあり、長野県松本市・大町市、岐阜県高山市の境界にあります。ところで地図を作成する方法として、1980年代に衛星測位システムが登場するまでは三角測量という方法が用いられてきました。
三角測量には、三角点という経度・緯度・標高の基準になる点があります。
この三角点は通常石柱の下に盤石が埋設されているのですが、槍ヶ岳の三角点は固定されておらず、国土地理院で「亡失」扱いとなっており、三角点としての利用ができなくなっています。槍ヶ岳の厳しい気候が原因で盤石がむき出しになってしまったといわれています。
6位 悪沢岳(荒川東岳)(3141m)
Wikipedia「悪沢岳」よりPublic Domainの画像を引用
悪沢岳(荒川東岳)は、赤石山脈の中央部に位置し、前岳、中岳、東岳の3つを総称して、荒川岳と呼ばれています。
標高が高いところではハイマツや多くの高山植物が自生しています。少しハイマツの紹介をします。ハイマツの名前の由来は、直立せずに地面を這うように成長するためです
。またハイマツは日本では高山植生としてみなされますが、実は東シベリアや中国東北部では高山ではなく森の中に自生します。
7位以降
7位 赤石岳(3121m)
8位 涸沢岳(3110m)
9位 北穂高岳(3106m)
10位 大喰岳(3101m)
11位 前穂高岳(3090m)
12位 中岳(3084m)
13位 中岳(荒川中岳)(3034m)
14位 御嶽山(3067m)
15位 農鳥岳(3051m)
16位 塩見岳(3047m)
17位 南岳(3033m)
18位 仙丈ヶ岳(3033m)
19位 乗鞍岳(3026m)
20位 立山(3015m)
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